日本消化器集団検診学会雑誌
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新世紀のがん検診を探る~EBMに基づく検診
久道 茂
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キーワード: がん検診, 疫学
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2002 年 40 巻 6 号 p. 514-520

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抄録

新世紀のがん検診は, 科学的な根拠に基づく評価方法を用いながら発展させるべきである。(1) 新しい検診方法 (技術) の開発,(2) 適切な対象者, 受診間隔の設定,(3) 集団か個別か, 選択できる種々の検診項目の提供,(4) 一次予防との効果的組み合わせ,(5) 費用効果分析と費用負担の明確化,(6) 評価の研究の重要性,(7) 倫理上の問題点など, が今後考えて行くべき課題である。この中で重要な項目は, 評価の研究と倫理上の問題点である。がんの原因を探るにしても, 検診の有効性を評価するにしても, 科学的研究手法に基づく, つまりEBM (Evidence-based Medicine) の活用が重要となる。そのためには, 疫学の基本, 疫学的手法を知ることが大切である。疫学の科学性と倫理性について考察した。論じた言葉に, EBM, RCT, 三た論法, バイアス, インフォームド・コンセント, 不安病, 疫学を益学に, などがある。

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