日本消化器集団検診学会雑誌
Online ISSN : 2186-7321
Print ISSN : 1345-4110
ISSN-L : 1345-4110
間接X線撮影法と血清ペプシノゲン測定法との同時併用による発見胃がんについて
由良 明彦高橋 一江安藤 幸彦
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 40 巻 6 号 p. 533-541

詳細
抄録
上部消化管内視鏡検査をgold standardとし, 間接X線撮影法 (XP法) と血清ペプシノゲン測定法 (PG法) の同時併用を一次スクリーニング検査とした職域胃集団検診 (胃集検) を実施した。その結果, 総受診者数ス322名のうち一次スクリーニング検査による各要精検率はXP法単独9.8%, PG法単独19.8%, 両検査方式4.3%であり, 精検受診率はいずれの場合も90%を超えるものであった。発見された胃がんは22例であり, そのうち両検査によるものは5例であり, 同様にXP法単独では4例, PG法単独では13 例であった。よって, 両検査方式の同時併用による職域胃集検は意義があると判断された。また, 受診者1,670名を対象に血清抗Helicobacter pylori抗体測定法 (HP法) を前述の一次スクリーニング検査に加えて検討したところ, HP陰性かつPG陽性を示すものが最も胃がんの高危険群と判定された。
著者関連情報
© 日本消化器がん検診学会
前の記事 次の記事
feedback
Top