日本消化器集団検診学会雑誌
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進行の早い検診発見胃癌の検討
茂木 文孝今井 貴子河村 修岡村 信一草野 元康関口 利和
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2002 年 40 巻 6 号 p. 527-532

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抄録

胃がん検診では発見治癒させることが困難な進行の早い胃癌の実態を調査した。
平成4年度から11年度までの逐年検診受診者から発見されたseあるいはsi癌の前年度の間接レントゲン写真を見直し, 異常を指摘できない症例を進行の早い胃癌とした。
進行の早い胃癌 (16例, M: 7, F: 9) は逐年検 (診発見胃癌 (523例) の3.1%であった。50才台前半と70才前半に多く, 4型胃癌が50%を占めていた。未分化型癌12例はM, U領域小弯やU領域大弯などに多く, また分化型癌4例はUに多く認められ1例は噴門部癌だった。胃切除術ができたのは75%で, 女性は男性に比べて根治度Cの比率が高かった (F: 45%, M: 14%)。
進行の早い癌は現状の胃がん検診では発見治療が困難だが, seあるいはsi癌には前年度の間接写真に描出されていた症例が過半数に認められたことから, 一層の注意を払って間接写真の読影に取り組む必要がある。

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