日本消化器集団検診学会雑誌
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発見進行癌165例からみた大腸癌一次検診の再検討
須田 健夫小西 文雄中野 真蓮見 直彦翁 伯東田畑 育男松沢 良和増田 治仁臼倉 潔
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2003 年 41 巻 6 号 p. 582-587

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抄録
平成5~12年度に旧大宮市で実施した大腸癌個別検診で発見された165例の進行癌を分析し, 検診の対象年齢, 受診間隔と一次検診の留意点について検討した。受診者実数は67,684名, 男女比は約1:2 であった。発見進行癌は男88例, 女77例で, 男女差は早期癌に比して明確ではなかった。【対象年齢】一次検診陽性反応適中度より男55歳以上と女50歳以上は有効性が高く, 女49歳以下は進行癌を対象にした効率性に疑問がもたれた。【検診間隔】複数回検診者の進行癌は82.2%が2年以内に発見されており, 発見率の高い男55歳以上, 女50歳以上は逐年で, それ以下は隔年検診でも見逃しは多くないと思われた。【留意点】検診回数にかかわらず初回陽性時の精検で146例, 885%が発見され, その重要性が示唆された。同時に便ヘモグロビン測定値1000ng/ml以上の症例が119例, 72.1%であり, 該当する受診者には充分な注意が必要である。
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