日本消化器集団検診学会雑誌
Online ISSN : 2186-7321
Print ISSN : 1345-4110
ISSN-L : 1345-4110
人間ドックの超音波検査にて発見された十二指腸Gastrointestinal Stromal Tumor (GIST)の1例
荻原 毅佐々木 宏子比佐 岳史
著者情報
キーワード: 十二指腸, 超音波検査
ジャーナル フリー

2004 年 42 巻 3 号 p. 361-365

詳細
抄録

患者は61歳, 女性。2001年4月, 当院人間ドックの超音波検査 (US) にて胆嚢体部腹腔側に接して径20mmの境界明瞭な類円形の低エコー腫瘤像を指摘された。上部消化管内視鏡検査では異常を認めなかった。CT検査では十二指腸球部外側に, 強い造影効果を呈する腫瘤像を認めた。超音波内視鏡検査では十二指腸固有筋層に連続する, 内部エコーやや不均一な類円形の低エコー腫瘤像を認め, 壁外性に発育していた。以上より, 十二指腸の壁外に向かって発育する粘膜下腫瘍と診断し, 腹腔鏡下十二指腸部分切除術を施行した。組織学的には腫瘍は十二指腸固有筋層から壁外に発育しており, c-kitおよびCD34が陽性であることからGISTと診断した。内視鏡検査にて発見困難な消化管の壁外発育型腫瘍の場合, USはその発見に有用と考えられた。

著者関連情報
© 日本消化器がん検診学会
前の記事 次の記事
feedback
Top