日本消化器集団検診学会雑誌
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42 巻, 3 号
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  • これからの胃癌検診-受診者の個別化と精度向上をめざして
    井田 和徳
    2004 年 42 巻 3 号 p. 297-308
    発行日: 2004/05/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
  • 前橋市胃がん個別検診18年間の成績の検討から
    萩原 廣明, 小板橋 毅, 山下 由起子, 宮石 和夫, 石田 稔, 関口 利和, 今井 貴子
    2004 年 42 巻 3 号 p. 309-321
    発行日: 2004/05/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    前橋市胃がん個別検診18年間の成績を検討した。受診者数と受診率は年々増加しており, 近年は特に男性受診者の増加が顕著であった。現行撮影法では, 小胃がん, 中でも陥凹型がん, 前壁および胃上部がんの描出が十分ではなかった。高濃度低粘性バリウムの使用は早期がんの発見率を向上させるが, 前壁と胃上部病変の描出能の改善には, 撮影法の変更が必要であった。読影委員会で要精検所見を統一することによって要精検率を下げていくことが精度管理の面からも重要である。高濃度低粘性バリウム新撮影法が, 今後さらに前橋市胃がん個別検診のがん発見率を向上させるものと期待される。
  • 竹元 千代美, 伊瀬知 毅, 松元 淳, 草野 健, 三重 浩子, 塗木 冬実
    2004 年 42 巻 3 号 p. 322-330
    発行日: 2004/05/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    胃検診の拡大・発展のためにはよりがん発見精度の高い内視鏡検診も追及する必要があるが, その拡大のためには問題点と課題を明確にして適切な対策を講じていく必要がある。今回我々は, 1997年度から2001年度までの5年間の鹿児島県厚生連健康管理センターにおける施設内胃検診 (受診者総数71,939名) の成績を中心に内視鏡検診に関する諸問題と課題を検討した。
    結果: (1) 内視鏡検診の比率は上昇しつつあるものの5.6%に過ぎず, 胃がん発見率はX線検診の約3倍で, 早期がん発見率は約4倍と発見精度に大きな差があり, その差は高齢者ほど大きい。(2) 一日80人実施に必要な人員および機材, 経費等を計算すると, 内視鏡検診は多数のスタッフを要し, がん1例当りの発見費用は261万円と間接X線集検の約2倍を要した。
    以上より, 内視鏡検診は処理能力が低くスタッフ確保も困難であり, 今後はスタッフ養成と精度維持システム構築が必要である。
  • 押本 浩一, 松本 純一, 増田 淳, 下田 隆也, 荒井 泰道
    2004 年 42 巻 3 号 p. 331-337
    発行日: 2004/05/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    胃癌内視鏡検診を普及させるにあたっての問題点として検査の受容性, 処理能力, 精度管理などが挙げられる。今回われわれは当院1泊2日人間ドックにおける最近7年間の胃癌内視鏡検診の現状を提示し問題点を検討するとともに直接胃X線検査法・ペプシノゲン法同日併用法と比較した。当院では鎮静剤を使用していることもあり, 検査の受容性に問題はないと考えられたが, 集団検診においては検査の苦痛について何らかの対策が必要と思われた。また一施設の処理能力には限界があるため内視鏡検診を普及させるにあたっては多施設の連携や検査対象の集約が必要と考えられた。内視鏡検診では早期癌, 特にm癌が多いことが特徴であり, 内視鏡検診の意義は内視鏡的粘膜切除が可能な癌の発見にあると思われた。また発見胃癌18例について前回内視鏡フィルムとの比較検討をしたところ逐年検診の重要性が示唆された。
  • 松崎 廉, 赤松 泰次, 須澤 博一, 宮下 美生
    2004 年 42 巻 3 号 p. 338-345
    発行日: 2004/05/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    昭和63年から平成12年までの集団検診発見報告大腸癌は972例で, 発見率は0.12% (男性0.15%, 女性0.09%) であった。平成11年までの病理学的に確定された癌749例中の早期癌は58.6%で, 内視鏡的切除は全発見癌の36.4%に施行されていた。最近4年間の発見大腸癌293例において担癌病変のサイズと深達度, 更に早期癌180例の担癌病変のサイズと亜分類との関係を検討した結果, 大腸に多数存在する5mm以下の純隆起性病変は内視鏡的切除の積極的対象にはしなくて良いものと思われる。他因死を除いた大腸癌再発に死因を限ると, 5年生存率は926%, 10年生存率は88.4%と良好であった。昭和63年度から平成8年度までに発見された大腸癌513例について, Kaplan-Meier法で解析した深達度別生存曲線と各深達度問の検討では, sm, mp, ss, seもしくはa間では生存率に有意差を認めたが (p<0.05), mとsm間では有意差を認めなかった(p>0.05)。
  • 大月 和宣
    2004 年 42 巻 3 号 p. 346-351
    発行日: 2004/05/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    超音波診断による脂肪肝 (FL群94例) と代謝性症候群およびインスリン抵抗性の関連について正常肝 (N群319例) と比較検討した。FL群男性では空腹時血糖 (p<0.0001), 中性脂肪 (p<0.0001), LDL-コレステロール (p<0.0001), 拡張期血圧 (p=0.018) が有意に高値で, HDL-コレステロールは有意に低値を示し, 女性では中性脂肪 (p<0.0001) が有意に高値で, HDL-コレステロール (p<0.05) は有意に低値を示した。HOMA-IRは, 男性FL群21±1.0, N群平均1.2±0.1 (p<0.0001), 女性FL群平均1.6±0.9, N群平均1.1±0.5 (p=0008) とFL群で高値であった。インスリン抵抗性の割合は男性FL群30%, N群4% (p<0,0001), 女性FL群18%, N群1% (P=0.01) とFL群は高率であった。腹部超音波による脂肪肝はインスリン抵抗性お有することもあり代謝性症候群と密接な関連があると考えられた。
  • 吉岡 律子, 三原 修一, 一二三 倫郎, 川口 哲, 田中 信次, 平尾 真一, 長野 勝廣, 木場 博幸, 佐渡 美智代, 田中 英一郎
    2004 年 42 巻 3 号 p. 352-360
    発行日: 2004/05/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    超音波検診では膵の多房性嚢胞は0.23%, 単房性嚢胞は0.72%, 膵管拡張は0.46%に見られた。単房性嚢胞および膵管拡張の頻度は加齢と共に増加し60歳以上で急増した。単房性嚢胞は女性に多く膵管拡張は男性に多かった。充実性腫瘤を伴わない嚢胞・膵管拡張症例の0.6%に腫瘍性疾患が発見された。15年間の膵悪性腫瘍症例104例のUSをretrospectiveに検討すると, 悪性腫瘍発見以前に膵嚢胞や膵管拡張を指摘されていた症例が6例存在した。IPMTやMCT例は腫瘍性嚢胞と診断されるまでに数年の経過を要したのに対し, 膵管癌ではこれらの所見が出現して1年以内に進行癌が発見された。すなわち, 膵嚢胞や膵管拡張が初めて出現したときは膵管癌の合併を否定するため精密検査が必要であると考えられる。膵管癌が否定された場合も, 後日その他の腫瘍性嚢胞が発見されてくる可能性があるため定期的な経過観察をすべきである。
  • 荻原 毅, 佐々木 宏子, 比佐 岳史
    2004 年 42 巻 3 号 p. 361-365
    発行日: 2004/05/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    患者は61歳, 女性。2001年4月, 当院人間ドックの超音波検査 (US) にて胆嚢体部腹腔側に接して径20mmの境界明瞭な類円形の低エコー腫瘤像を指摘された。上部消化管内視鏡検査では異常を認めなかった。CT検査では十二指腸球部外側に, 強い造影効果を呈する腫瘤像を認めた。超音波内視鏡検査では十二指腸固有筋層に連続する, 内部エコーやや不均一な類円形の低エコー腫瘤像を認め, 壁外性に発育していた。以上より, 十二指腸の壁外に向かって発育する粘膜下腫瘍と診断し, 腹腔鏡下十二指腸部分切除術を施行した。組織学的には腫瘍は十二指腸固有筋層から壁外に発育しており, c-kitおよびCD34が陽性であることからGISTと診断した。内視鏡検査にて発見困難な消化管の壁外発育型腫瘍の場合, USはその発見に有用と考えられた。
  • 2004 年 42 巻 3 号 p. 366-378
    発行日: 2004/05/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
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