抄録
大腸がん集団検診の有効性を検討する目的で, 国内で最も届出精度の高い福井県がん登録資料を用い, 5年相対生存率を算出した。福井県がん登録データベースより大腸がんと診断・登録された6403 名を検討対象とした。発見契機別に大腸がん集団検診発見群 (集検群) と病院受診発見群 (病院群) とにわけて, 性・10歳毎年齢階級・亜部位・深達度・病変の広がりおよび組織型別に5年相対生存率を算出した。集検群89.4%に対し病院群47.5%であり, 5年相対生存率は両群問に有意な差が認められた。精度の高い地域がん登録で検討した結果, 集検群においては単に早い段階で大腸がんが診断されるのみならず, 進行度および深達度別に層別化しても, おのおので病院群に比較して有意に生存率が高く, このことが集検群全体の生存率を押し上げている要因であると判明した。