2022 年 40 巻 2 号 p. 55-61
子宮肉腫の稀な合併症として,腫瘍の破裂がある.下部消化管内視鏡後の腹痛を契機として診断された異所性成分を含む平滑筋肉腫破裂の1例を報告する.症例は56歳,48歳時に貧血を指摘され当科を紹介受診した.子宮体部前壁に48×50 mmの腫瘤を認め,MRI所見から子宮筋腫と診断した.以後年に1~2回の定期通院をしながら8年が経過したが,便潜血陽性に対する下部消化管内視鏡検査後,腹痛を自覚した.CTで子宮腫瘤は90×69 mmに増大し,MRIでT2強調画像中等度信号,拡散低下を示し,出血を疑うT1強調画像高信号も認め,腫瘤の頭側で腫瘤および子宮の輪郭が途切れ,子宮悪性間葉系腫瘍の破裂を疑った.子宮全摘出術,両側付属器切除術,大網部分切除術を行った.術中,腫瘍の破裂,破裂部への回腸の癒着を認め,回腸部分切除術も行った.病理所見は核異型の目立つ紡錘形細胞の不規則束状増殖,12/10 HPFの核分裂像,凝固壊死,および多核巨細胞の浸潤を認め,骨肉腫・軟骨肉腫の異所性成分を伴っていた.以上より異所性成分を含む平滑筋肉腫と診断した.術後は化学療法を行ったが術後1年で肺転移再発を来たし現在担癌生存中である.