日本産科婦人科内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5746
ISSN-L : 1884-9938
難治性の腸管子宮内膜症に対して腹腔鏡補助下S状結腸部分切除術が奏功した1例
松見 泰宇袖本 武男田中 誠二堀谷 まどか大貫 裕子中林 稔片桐 秀元宮島 伸宜西井 修
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2007 年 22 巻 2 号 p. 437-441

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抄録

腸管子宮内膜症が薬物療法に抵抗性の月経困難症、排便痛、下血といった症状を呈する場合には手術療法の適応となる。婦人科における子宮内膜症に対する腹腔鏡下手術は広く行われているが、腸管部分切除を要する場合には外科医との連携が不可欠である。今回、我々は腹腔鏡下子宮内膜症病巣焼灼術後に再燃した腸管子宮内膜症に対して外科医との連携により腹腔鏡下にS状結腸部分切除を施行することができた症例を経験した。症例は31才の原発性不妊症の女性。平成13年11月に月経随伴性の下血を主訴に前医受診。卵巣嚢腫、子宮内膜症の診断で、前医にて腹腔鏡下子宮内膜症病巣焼灼術、癒着剥離術を施行された。平成17年5月、月経困難症、月経随伴性の下血が再燃したため、根治術目的に当科紹介。腹腔鏡補助下S状結腸部分切除術を施行した。病理組織学所見ではS状結腸の筋層に浸潤する子宮内膜類似組織の増生を認めた。術後経過良好で、現在外来にて不妊治療中である。

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