2021 年 77 巻 1 号 p. 32-43
欠陥部の振動特性と覆工コンクリートのはく落に対する健全度の関係について考察するため,供試体を用いて室内実験を行った.その結果,はく落のおそれがある欠陥部の低次モードの振動数の目安値,およびある振動数よりも低い欠陥部の振動音はハンマー打撃時にはあまり聴こえていないことが明らかとなった.また,室内実験の結果を踏まえ,鉄道トンネル内の要注意(β判定)箇所での振動計測結果を考察すると,はく落が生じるおそれはないと判断できる箇所が多数存在することが明らかとなった.検査員による判定は基準や根拠が曖昧でばらつきがあるので,欠陥部の最低次モードの振動数を指標としてスクリーニングするだけでも,人による打音調査が必要な箇所を選択,集中することができ,検査の効率化が期待できる.