日本産科婦人科内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5746
ISSN-L : 1884-9938
腹腔鏡下手術により摘出しえた膜症膀胱内浸潤の1例
柿沼 敏行長田 尚夫田村 正明古屋 潮山本 範子永石 匡司松浦 眞彦藤井 トム清山本 樹生
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 24 巻 2 号 p. 405-408

詳細
抄録

月経時に増強する血尿、排尿時痛を伴う膀胱子宮内膜症に対して、腹腔鏡下膀胱部分切除により症状の改善を認めた症例を経験したので報告する。42歳、未経妊未経産。肉眼的血尿を主訴に近医泌尿器科を受診し、膀胱鏡により腫瘍性病変を認めた。腫瘍生検で膀胱内子宮内膜症と診断され、精査加療目的に当院へ紹介となった。骨盤MRI像で膀胱と子宮前壁の境界部に約4cmの腫瘤性病変を認め、子宮内膜症膀胱内浸潤の診断で腹腔鏡下手術を行った。膀胱と子宮前壁の境界部に癒着を認め、これを剥離後、膀胱を切開、腫瘍を肉眼的に確認し、膀胱部分切除を行った。膀胱鏡で創部に異常がないことを確認、術後14日目に尿道カテーテルを抜去し、経過良好で術後16日目に退院となった。術後8ヶ月経過、再発症状、血尿、排尿困難等泌尿器系症状は認められていない。

著者関連情報
© 日本産科婦人科内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top