2025 年 8 巻 1 号 p. 1-4
本研究は,薬剤起因性老年症候群や服薬管理に関わる機能等を簡便に評価でき,介入の糸口となるようなポリファーマシー対策のためのツールを開発した.作成に関しては,「おくすり問診票(試作モデル)」を作成し,国立高度専門医療センターに指定されている6つの病院に入院した患者を対象に利用調査を行い,その過程で得られた情報(薬剤師および患者からの意見)を基に各施設の実情を集約し,複数の施設で共通して使用可能な「おくすり問診票」を作成した.おくすり問診票の特徴は自己回答形式であり,薬局の待ち時間などに回答できるよう設計されている.また,それらを利用し,「多職種連携推進のための在宅患者訪問薬剤管理指導ガイド」の作成を行った.情報が少ない在宅医療の現場において,薬剤師が情報を収集および評価することに役立てるよう作成した.このように一貫して現場で利用できるツールの開発を行い普及に努めている.