日本老年薬学会雑誌
Online ISSN : 2433-4065
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ポリファーマシーがフレイル・老年症候群に及ぼす影響の多角的検討
長谷川 章
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2025 年 8 巻 4 号 p. 89-93

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抄録

高齢者は加齢に伴い慢性疾患および老年症候群を併存することが多く,その過程で要介護状態の前段階であるフレイルに至る.慢性疾患に伴う薬剤数の増加は,有害事象や処方カスケードの発生リスクを高める.本研究では,高齢者のポリファーマシーとフレイル・老年症候群との関係を多角的に検討した.

レセプトデータ解析では,薬剤起因性老年症候群のうち食欲不振の頻度が高く,約34%で処方カスケードの疑いが認められた.ロコモフレイル外来患者を対象とした解析では,降圧薬の減薬が身体機能改善と関連する可能性が示された.さらに,転倒リスク診断モデルの構築に成功し,社会的孤立の改善・悪化が薬剤数の増減と関連することも確認された.

このように,本研究では高齢者のポリファーマシーとフレイル・老年症候群について,多角的な視点から検討を重ね,その関連の全体像を明らかにしてきた.今後も得られた知見を深化させ,さらなる研究の発展につなげていく.

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