1999 年 33 巻 Supplement 号 p. 153-158
本論文では、音と映像の融合と新しいマン・マシンインタフェースの実現を目指した研究について、インタラクティブパフォーマンスという概念を導入した基礎的な実験を行った。インタラクティブパフォーマンスとは、音楽と映像の融合を楽器の演奏者によって行うというものである。具体的には、楽器の演奏状態によってコンピュータのモニタに表示されるCGが変化し、また逆にCGの変化を見て演奏展開を行うことを狙ったものである。今回はCGキャラクタとMIDI楽器を使用して、インタラクティブパフォーマンスを実現するソフトウェアを試作し、これをパーソナルコンピュータ上で実装した。なお、CGキャラクタはNote OnとよばれるMIDI情報によって動かされる。ソフトウェアを実行した結果、一般的に電子楽器制御用に用いられているMIDI信号によってCGアニメーション生成の制御が可能であることが確認できた。また、今回は基礎段階として簡単なリズムによる制御であったが、更に改良することでより多様な表現が可能であることが見出された。
今回の試作ソフトウェアでは、楽器の演奏情報入力にSMFを用いたが、これをヒトによる演奏におきかえても同様の結果が得られることは明白である。以上のような理由により、試作ソフトウェアによってインタラクティブパフォーマンス実現の可能性が確認できた。