図学研究
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選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
制作論文
  • 落合 陽, 飯田 真由, 端谷 典子, 能作 淳平
    2024 年58 巻2 号 p. 3-9
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/09/01
    ジャーナル フリー
    ホームセンターで買えるものだけで誰であっても加工・施工可能な木造建築物を“クラフト木造建築”と名付けた.これは,昨今増加している中大規模木造建築でカバーしきれない木材需要を創出することを狙っている.本研究ではクラフト木造建築の制作実証の第一歩として小規模な木造サウナ小屋についてその木造部の架構を自力で制作した.サウナ小屋制作を通じた設計や建て方の工夫について解説し,クラフト木造建築を作る際の技術的な留意点をまとめた.
  • 安藤 直見
    2024 年58 巻2 号 p. 10-17
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/09/01
    ジャーナル フリー
     かつては黒塀が大規模に連続した街並みの一角に,明治,昭和,平成の各時代に建てられた住宅と土蔵が建つ.それらは,もともとは3世代が住むプライベートな敷地に建つ建築群であったが,居住者の他界あるいは転居に伴い,いずれもが空き家となっていった.筆者は,1980年代以降,この敷地内の建築設計に関わり,1棟の新築を含む全4棟の改修を担った.本論では,古くなっていく建築の再生と空き家の活用により形成されたパブリックな街区の事例について論じる.
研究論文
  • 福江 良純
    2024 年58 巻2 号 p. 18-29
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/09/01
    ジャーナル フリー
     本研究は,彫刻家石井鶴三の代表作「島崎藤村先生木彫像」(藤村像)の木取り過程に残された木片端材を手掛かりとして,その制作工程をデジタルで再現し,特殊な経緯から2体存在することとなった藤村像の形成過程を解明したものである.作品および木片から採取された形状データにより,基本形,心棒という,制作上に重要な構造体が3Dデータとして復元され,その可視化を通し,それら構造体の意味と機能が特定された.更に,ここより得られた構造概念は,ムーブメントを特質とする点で,近代芸術の一傾向であるキュビスムとの原理的な一致も確認された.また,3D形状計測された藤村像2体および全木片の3Dデータを基に,最終成果物として,制作工程を再現した3Dアニメーションシステム3点が完成している.
  • 石原 史奈, 片桐 悠自, 岡山 理香, 岩岡 竜夫
    2024 年58 巻2 号 p. 30-37
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/09/01
    ジャーナル フリー
     本研究は日本の芸術家である岡本太郎(1911~1996)の造形論であり,原水爆をモチーフとした壁画《明日の神話》(副題:《ヒロシマ,ナガサキ》)(1968~1969)を扱う.岡本は1950年に「対極主義宣言」を提唱して以降,自身の芸術思想として「対極主義」を掲げている.「対極主義」の作品表現を明らかにすべく,《明日の神話》におけるモチーフや色の構成,それらの相互関係についてラインドローイングを用いた分析を行い,原水爆という悲劇に対する岡本の試みを論じる.
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