抄録
本研究では90度に開いたときに立体形状が立ち上がる「折り紙建築」を、多角形面の集合によって表現することで、計算機による設計支援を行う手法を提案する。本研究では特に1枚の紙から切断と折り曲げだけで形を作成できるものを対象としている。形状の表現に多角形面の集合を用いることで、筆者らが提案したボクセルを用いた形状表現手法 [1] [2] よりも、自由度の高い形状の設計が可能となる。この手法では、計算機内には折り紙建築を構成する面を展開図上に配置した2次元の多角形データを保持し、形状の編集操作時にこれらの論理演算を行うことで、対象とする折り紙建築が1枚の紙から生成されるという制約を常に満たしながら、対話的な形状操作を行うことができる。本研究では、これらの手法を用いた折り紙建築形状の設計支援システムを実装し、実際に折り紙建築による紙模型を作成することでその有効性を確かめた。