図学研究
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ポリゴンモデルの展開図組み立てに要するコスト評価法
三谷 純鈴木 宏正
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2003 年 37 巻 Supplement2 号 p. 27-32

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抄録
ポリゴンモデル (多面体モデル) から展開図を生成する場合, 切断する辺と切断しない辺の決定方法に依存して, 同じポリゴンモデルから異なる展開図が生成されうる.展開図によって切断する長さや折り曲げの場所が異なるため, これを紙模型に組み立てる時には, 工作しやすい場合と工作しにくい場合がある.しかしながら, この工作の難易度を測定する手法が無いため, 展開図の良し悪しを客観的に判定するのは難しい.また, 紙模型の対象形状が複雑である場合には形状を簡略化することで工作の手間を軽減させることが行われるが, 簡略化によって, どの程度工作のコストを軽減できるのかを評価する手法が存在しない.そこで本稿では, 紙模型の展開図を組み立てる際に発生するコストの大きな要因として, 「切り抜きコスト」「折り曲げコスト」「貼り合わせコスト」を挙げ, それらの値を展開図の幾何学的な性質から算出するための式を提案する.これらの式に含まれる未確定なパラメータについては, 複数の被験者に実際に工作を行ってもらい, それに要する時間を計測することで算出を行った.この値を用いて, 既存の展開図について工作に要するコストの評価を行った.
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© 日本図学会
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