抄録
本研究では建築の専門教育を受けた建築学部の学生を含むラオスの大学生を対象にPIT (Plan Interpretation Test) [4] を適用し, ラオス人学生の建築図読図能力に関する次の所見を得た. (1) PITに関して, ラオスの建築学部の学生の成績は大阪大学の共通教育の1年生の成績とほぼ同じである一方, 建築学部以外のラオスの学生の成績はそれらに比べて有意に低い. (2) PITの平均点が高いラオスの建築学部の学生と日本の共通教育の学生においては外観設問が内観設問に比べて難しい一方, PITの平均点が低いその他のグループにおいては内観設問と外観設問の成績の間に差が見られない. (3) 平均点の高いFCS1-JとAECS1の設問ごとの平均正答率の順位は幾分のばらつきが見られるものの, ほぼ同様の傾向が見られた. (4) 建築の専門教育を受けたラオスの建築学部の学生は, 回答に当たって複数階の建築図面を総合的に判断している一方, 建築の専門教育を受けていない学生は一つの平面図の情報だけで判断している可能性がある.