日本医療・病院管理学会誌
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研究資料
抗菌剤使用に着目したDPC病院における肺炎治療に関するベンチマーク
恩田 光子廣谷 芳彦荒川 行生
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キーワード: 肺炎, 抗菌剤, ベンチマーク
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2010 年 47 巻 2 号 p. 61-68

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抄録

DPCデータを用い肺炎治療における抗菌剤の使用状況をベンチマークし,抗菌剤の使用が病院の財政面に与える影響について検証した。入院期間ごとに,DPC導入により増収した患者の割合,増減比(包括報酬額/出来高換算報酬額),各医療行為の報酬が出来高換算報酬総額に占める割合を比較検討した。また,抗菌剤の使用動向,入院期間区分ごとの出来高換算報酬および注射総額の平均値,出来高換算報酬総額に占める注射総額の割合(以下「注射比率」とする),増減比を一覧し,抗菌剤の使用状況と病院の増減収との関連について比較検討した。
抗菌剤の使用動向を入院期間別に比較すると,いずれの病院においても入院の経過とともに変化が見られ,増減比が高い病院ほど注射比率が低い傾向が認められた。したがって,当該DPCコードでは,抗菌剤の使用動向が病院の財政面に影響を与えていることが示唆された。

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© 2010 一般社団法人 日本医療・病院管理学会
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