日本医療・病院管理学会誌
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研究論文
要介護データを用いた二次医療圏レベルの健康寿命(平均自立期間)の算出および関連要因の探索
内藤 優美後藤 悦林 慧茹原 広司佐々木 典子今中 雄一
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2020 年 57 巻 1 号 p. 2-10

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抄録

【目的】 健康寿命は重要な指標だが政策等で用いられる健康寿命には課題がある。本研究は要介護度に基づく二次医療圏レベルの平均自立期間を算出して課題に対応し,地域レベルで関連要因を探索した。

【方法】 二次医療圏レベルの平均自立期間を算出し,男女0歳と65歳の平均自立期間を目的変数,地域変数を説明変数として重回帰分析を行った。

【結果】 平均自立期間は女性0歳で83.95年,男性0歳で79.20年であった。市町村たばこ税の徴収実績,高齢者単身世帯の割合などが平均自立期間に対して負の関連を示し,認知症サポーターの割合,大学以上卒業者の割合などが正の関連を示した。

【考察】 地域資源の充実が平均自立期間に影響していることが示唆された。選択された変数が平均自立期間の約20%~50%を説明しており,地域レベルの要因が集団の健康に影響している可能性がある。諸領域の要因を多角的に分析することが重要である。

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© 2020 一般社団法人日本医療・病院管理学会
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