2024 年 61 巻 1 号 p. 17-24
【背景・目的】新型コロナ感染症パンデミックは,多くの病床を有する日本の病床不足を表面化した。これは,これまでの医療政策と病院の対応の結果である。本論は,医療政策の歴史的経緯,2017年の地域医療構想の策定時の病院単位の状況を踏まえて,ポストコロナ期における地域医療構想の展望を示す。
【方法】2017年の病院報告・医療施設調査の悉皆データを用いて,病院機能を4つ(急性期病院群,ケアミックス病院群,療養型施設群,外来型施設群)に分けて地域医療構想の4つの病棟・病床機能との調整の方向性について分析した。
【結果】地域医療構想の実現のためには,外来型施設数の削減や「急性期病床」の「回復期病床」への転換によって回復期ケアを提供する病院になることが,最も現実的な選択と考えられる。
【結論】ポストコロナ期における地域医療構想の在り方として,外来型施設群の将来展望を示した上での調整が重要であると考える。