民族衛生
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味盲の日本民族に於ける出現傘
近内 康夫
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1951 年 18 巻 2 号 p. 21-26,A5

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抄録
(1)Phenyl-thio-carbamideの乾燥結晶を用いて日本人の成人中の味覚を検査し,日本人の味盲の出現率をきめた.
味盲は日本人では男女とも14.6%の率で出現する.この出現率は日本人について他の研究者がP.T.C.またはPara-ethoxy-P.T.C.の結晶を用いて得た成績と略一致する.
(2)苦味を感ずる者の中には苦味のみを感じる者ばかりではない.比較的少数ながら,先ず何か他の味を感じ次いで苦味を感ずる者がある.このことはP.T.C.が若干例の人間に於て苦味以外の味覚をも起し得ることを示している.
(3)苦味を感ずる者に就て類似の味を与える物質を質問したところその答は薬品類が最も多かつた.
(4)味盲でもなく,苦味も感じないという者は甚だ少い.男266名中2名がごく僅かのしおからさを感じ,女48名中1名がごく僅かのあまさを申告した.
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