民族衛生
Online ISSN : 1882-868X
Print ISSN : 0368-9395
ISSN-L : 0368-9395
韓國人身体發育に關する研究
第3編四肢の計測値及び總括
景 鴻基
著者情報
ジャーナル フリー

1952 年 18 巻 5-6 号 p. 112-130,A11

詳細
抄録

前編につづき韓国人の体格について四肢の各部分即ち上肢長,上腕長,前腕長,手長,上腕囲,前腕囲,下肢長,上腿長,下腿長,足長,上腿囲,下腿最大囲等にわたつて計測した,その結果を次の如くであつた.
1.一般に韓国人は日本人より上肢長,手長,下肢長,下腿長,足長が稍々大きいが,上肢長,前腕長,前腕囲,大腿長,大腿囲は稍々小さい傾向があつた.中でも上腕囲,下腿最大囲は男では日本人より稍々大きいが,女は日本人より稍々小さい.
2.一般に韓国人の比下肢長は,年少時には男の方が女より小であるが,9才以上になれば却つて男は女より大である.
全編の總括及び結論
余は健康なる韓国人を初生児から老年迄男7,132名,女5,030名,計12,162名の体格各部分(身長,体重,指極,頭囲,頭長,頭幅,頬弓幅,坐高,胸囲,胸前後径,胸横径,腹囲,肩幅,腰幅,上肢長,上腕長,前腕長,手長,上腕囲,前腕囲,下肢長,上腿長,下腿長,足長,上腿囲,下腿最大囲)を計測して発育標準を定めると共に,体格諸要素間の関係及び各指数を検討した.更にこれを諸外国人と比較対照し身体各部の検討は第I,II,III編の要約に述べてあるから省略し概観的事項についてのみ以下に総括する.
1.韓国人の身体発育完成年令を次の第1表の如くである.
2.男女の発育交叉年令を第2表に示す.胸囲,比胸囲,胸前後径,胸横径,頭長,頬弓幅,肩幅,下肢長,上腕囲,前腕囲,前腕長,下腿長等は男は女よりも幼児期より老年に至る迄常に大である.ローレル指数11才,頭径指数4才,比坐高12才,腰幅10才の各年令より女の方が男より大になる.
(交叉期間―女め値が男の値より優れている時期)
3.身体計測諸量の成人の初生児に対する比は第3表に示す通りである.
4以上の成績を種々の研究者によつて報告された日本人及び欧洲人の数値と比較した結果,韓国人と日本人との体格及び発育の差は韓国人と欧洲人との差に比して著しく少いことが示された.

著者関連情報
© 日本民族衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top