植物工場学会誌
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トマト果実の色と食味の関係
繆 冶煉堀部 和雄加藤 元保青木 勝平岩井 静子
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2000 年 12 巻 4 号 p. 242-247

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抄録

樹上および追熟中のトマト果実を対象に, 理化学的測定および官能検査を行い, 色による食味の定量的評価の可能性を検討した.得られた結果は次のとおりである.
(1) 樹上果実と追熟果実の着色パターンが異なり, 追熟果実は樹上果実より着色が均一に進んだ.温度20℃, 相対湿度85%の条件下で催色期に採取した果実を追熟すると, 7日間でa/b値が0.06から1.70に増加し, 目減りが2%と小さかった.
(2) 果汁の糖度は, a/b値が0.79以上の樹上果実では4.9Bx°と一定であり, 追熟果実ではa/b値が0.79の時に5.3Bx°の最大値が得られた.pHは樹上果実と追熟果実とともにa/b値の増加に伴って上昇した.
(3) 追熟果実はほとんどの官能検査内容について, a/b値が高いほど, 得点が高かった.同一のa/b値において, 樹上果実は追熟果実より高い評価を得た.樹上果実と追熟果実の食味はそれぞれのa/b値により定量的に評価しうることが明らかになった.

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