植物工場学会誌
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培地温を制御したロックウール耕におけるガーベラの生育・開花と光合成, 水ポテンシャルの計測
勝川 健三青木 光幸稲本 勝彦土井 元章松山 賢一郎今西 英雄
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2000 年 12 巻 4 号 p. 248-253

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抄録
19~23℃での培地温制御がガーベラ (Gerbera hybrida Hort.)'ニニ'の生育・開花に及ぼす影響について, 葉の水分状態および光合成速度ならびに乾物の分配と蓄積の観点から検討した.クラウン (短縮茎) 当たりに着生した花序数は1.8~2.0で, 実験期間中を通じて安定しており処理による差は認められなかった.しかし, 夏季の冷却あるいは冬季の加温といった培地温制御は, 新たに形成されるクラウンの分枝数を増加させることにより切り花収量を増加させると考えられた.培地冷却は, 夏季の昼間の水ストレスを軽減し, その結果気孔コンダクタンスが維持されて光合成速度が高く保たれ, このことがクラウンへの乾物蓄積を促したものと考えられた.一方, 冬季の培地加温は根への乾物蓄積を抑制した.夏季の冷却と冬季の加温は切り花収量に関して, 相加的な結果をもたらさなかった.
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© 日本生物環境工学会
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