1993 年 5 巻 1 号 p. 44-53
トマト収穫作業を行わせるため, 7自由度を有する冗長マニピュレータを試作した.そのマニピュレータの効果的な制御方法を検討することを目的として, まず, 作動領域の分割を行った.次に可操作度, 手先の直線移動距離, および直動関節の変位をパラメータとする評価関数を用いて分割された領域の代表解を求めた.さらに, その解に基づき, 吸着パッドを用いたハンドをマニピュレータに装着して実験を行った結果, 以下のことが知れた.
(1) 作動領域を分割したことにより, 制御を迅速かつ簡単に行うことが可能となった.
(2) あらゆる対象物に対して, 関節型マニピュレータの可操作度および手先の直線移動距離の大きくなる姿勢で収穫が可能となった.
(3) 直動関節の変位を考慮することにより, 比較的無駄な動作をすることなく, 収穫することが可能となった.