2007 年 18 巻 1 号 p. 1-13
ソーシャルワーカーの高齢者との関わり方に焦点をあて、そのソーシャルスキルの抽出と分類を目的とした。ソーシャルワーカーへの面接調査(半構造化面接)から、KJ法により抽出された具体的なソーシャルスキルは11項目に大きく分けられ、そのうち関わりのとり方に関するものとして、受信・発信スキル、非言語スキル、関係の維持と調整、尊重スキル、手段的スキル、確認・修正スキルの6項目に分類した。保健医療などの専門職者による応用可能性にも視点をおき、これらのスキル活用について整理してみると、詳細にわたる観察と、これに基づく行為の発動、スキルの現実的な動きをもたらす柔軟さ、"時間"の有効活用と調整、そして、"例を入れて説明する(具体的に例示しながら説明する)"や"相手の理解度をはかる"などの配慮をしながら、状況に応じて、主導に、あるいは、流れや状況に追随するという関わり方が重要であることがみいだされた。