「回復の語りとコミュニティ:コロナ禍のなかで」と題された本シンポジウムにおいて、回復、語り、コミュニティという三本の糸を編みつつ、その編地に熊本の精神医療現場をフィールドとして現在進行中である筆者らの活動の文様を浮かび上がらせることを試みた。その基調となるのは、リフレクティング・トークとリフレクティング・プロセスという二様のリフレクティングであり、本稿では、近年、注目の集まるオープンダイアローグとの関係において、その本来について瞥見した上で、熊本の精神医療現場の人々と取り組む活動としてのリフレクティングの諸相について、会話者、研究者、実践者という三つの声を行き来しつつ概観し、「回復の主体とは如何なるものか」という問いへの応答を試みた。