抄録
22q11.2欠失症候群は特徴的な顔立ちや先天性心疾患を合併し,小児期早期に診断されることが多い.本疾患は思春期に発達障害の合併率が70~90%と高いことから,早期診断により適切に病状が理解されれば,有効な患者支援につながる.しかし,臨床症状が非特異的であるため診断が遅れ,必要な支援を受けられていない患者が一定数存在する.今回,横紋筋融解症を伴う痙攣を契機に低カルシウム血症が判明し,本疾患と診断された13歳の男子を経験した.低カルシウム血症による痙攣を認めた場合には,年齢に関わらず,22q11.2欠失症候群を鑑別に挙げる必要がある.