昭和学士会雑誌
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総説
歯科診療における新型コロナウイルスのエアロゾル感染リスク評価について
小野山 薫松井 庄平菊池 真理子桑田 啓貴
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2024 年 84 巻 3 号 p. 235-241

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抄録
新型コロナウイルス感染症2019(COVID-19)の世界的流行により,歯科治療におけるエアロゾル感染のリスクに関する懸念が高まった.歯科分野においては,エアロゾルの発生や患者の口腔粘膜および唾液との直接的な接触が避けられないため,感染流行当初はエアロゾルを発生させる歯科治療を極力控えるよう,WHOなどの行政機関からアナウンスがなされた.その後,歯科におけるCOVID-19感染リスクの研究が進み,具体的なガイドラインが提供されたが,過去3年間にわたりCOVID-19によるエアロゾル感染に関する研究者間の見解は一致しなかった.本総説では歯科診療時の感染リスクやその測定手法を中心に概説し,今後の歯科における感染制御のあり方についても考察を行う.COVID-19を含めたさまざまな感染症に対し,本稿を用いて,歯科医療現場で最大限の予防策を講じる一助としたい.
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