抄録
最新の臨床試験結果には,重症セプシス治療のスタンダードに再考をうながすものも多い。例えば,強化インスリン療法の有効性には,the Efficacy of Volume Substitution and Insulin Therapy in Severe Sepsis (VISEP) studyにより疑問符がつけられ,ステロイドのショックに対する有用性に関しては,the Corticosteroid Therapy of Septic Shock (CORTICUS) studyにより否定的見解が優位となっている。また,免疫グロブリンに関しては,有効性を否定するthe Score-Based Immunoglobulin G Therapy of Patients with Sepsis(SBITS) studyの結果が発表される一方で,有効性をサポートするシステマティックレビューも複数発表されている。活性化プロテインCに関しては,重症例における有用性が再確認される一方で,軽症例では無効であることや出血性有害事象の増加が認知されるようになってきた。このように重症セプシスの治療は,新たなエビデンスの追加によってむしろ混迷を増しているようにも見受けられる。折しもSurviving Sepsis Campaignガイドラインは2008年に改訂版が公表されたばかりであるが,重症セプシスの標準治療は,不安定なエビデンスによっているものも多く,今後も再考が必要であろう。