日本集中治療医学会雑誌
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最新号
選択された号の論文の22件中1~22を表示しています
編集委員会より
2021年度論文賞受賞者のことば
今号のハイライト
症例報告
  • 喜久山 和貴, 丸尾 寛子, 市川 ゆき, 渡辺 太郎, 大杉 浩一, 庄野 敦子, 木村 友之, 小谷 透
    原稿種別: 症例報告
    2022 年 29 巻 3 号 p. 211-215
    発行日: 2022/05/01
    公開日: 2022/05/01
    ジャーナル フリー

    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるARDSの治療では,有効な薬物療法はない。人工呼吸器関連や傷害性自発呼吸による肺損傷回避のための肺保護戦略がARDSへの主な治療手段となるが,肺保護のための筋弛緩薬の投与方法は未だ定まっていない。 COVID-19によるARDSの診断で60歳代男性が当院に紹介され,入院2日目に体外式膜型人工肺と腹臥位療法を肺保護のために導入した。深鎮静下でも強い吸気努力を認め,肺損傷のリスク軽減のために筋弛緩薬を持続投与した。身体所見と気道閉塞圧(P0.1)を指標に筋弛緩の必要性を連日評価した。肺機能は緩徐に改善して吸気努力も減少し,最終的には腹臥位療法19日間,持続筋弛緩薬投与26日間を要した。入院47日目に体外式膜型人工肺から離脱した。ICUと一般病棟に滞在後,酸素投与下で自宅退院した。今後発生しうる同様の重症例に備えるため,P0.1が筋弛緩薬投与期間を決める一指標となりうる可能性につき文献的考察を交え症例を報告する。

  • 前田 翔, 藤井 祐, 田村 高廣, 平井 昂宏, 鈴木 章悟, 西脇 公俊
    原稿種別: 症例報告
    2022 年 29 巻 3 号 p. 216-218
    発行日: 2022/05/01
    公開日: 2022/05/01
    ジャーナル フリー

    食道癌術後に両側気胸を発症し,その周術期呼吸管理に肺超音波検査が有用であった症例を経験した。症例は50歳の男性。食道胃接合部癌に対して,胸腔鏡下食道亜全摘術・三領域リンパ節郭清・胃管再建(胸骨後経路)が施行されたが,術後に高度の酸素化障害を来した。術後,肺超音波検査を積極的に実施することで,両側気胸の診断および胸腔ドレナージの適切な施行判断が可能となった。

  • 箕浦 啓宣, 黒坂 了正, 大森 教雄, 野田 俊輔, 北村 真友
    原稿種別: 症例報告
    2022 年 29 巻 3 号 p. 219-223
    発行日: 2022/05/01
    公開日: 2022/05/01
    ジャーナル フリー

    非特異性間質性肺炎に対する高頻度振動換気法の有用性は定かではない。非特異性間質性肺炎(interstitial pneumonitis, IP)に対し,高頻度振動換気法(high frequency oscillatory ventilation, HFOV)を行い肺移植へ繋いだ小児例を経験したので報告する。症例は6歳,男児。3歳時に膀胱原発胎児型横紋筋肉腫を発症し,化学療法と局所放射線治療を行い,再発なく経過していた。5歳時から乾性咳嗽があり,入院1か月前から増悪した。胸部CT検査,肺生検病理所見から,化学療法に起因した非特異性IPと診断した。肺生検後にIPが急性増悪し,人工呼吸器管理を開始した。従圧式補助調節換気では換気を維持できず,HFOVに変更し換気を維持した。慢性進行性のIPで肺移植以外に救命の手段がなく,生体肺移植の適応と判断した。 HFOV管理で生体肺移植まで繋ぐことができ,独歩で自宅へ退院した。本症例から,HFOV はIPに対して肺移植までの繋ぎの呼吸管理として有用である可能性が示唆された。

  • 市川 優美, 荒巻 裕斗, 福島 一憲, 一色 雄太, 澤田 悠輔, 中島 潤, 大嶋 清宏
    原稿種別: 症例報告
    2022 年 29 巻 3 号 p. 224-228
    発行日: 2022/05/01
    公開日: 2022/05/01
    ジャーナル フリー

    【症例】甲状腺機能亢進症,抗リン脂質抗体症候群の既往がある50歳代女性。右大腿部の有痛性筋痙攣を主訴に当院へ搬送された。主訴のため歩行不可であり,筋痙攣に対する不安を訴えていた。第5病日,たこつぼ心筋障害が疑われる急性心不全を発症しICUに入室した。 プロポフォールで鎮静し人工呼吸器管理を行い,さらにジアゼパムを投与したところ筋痙攣は消失傾向となり,その後抜管,ICUを退室した。臨床所見,血液中の抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ抗体(抗GAD抗体)が強陽性であったことからstiff-person症候群(SPS)と診断した。【考察】SPSは抗GAD抗体による自己免疫異常により発症し得る神経疾患で,筋硬直と筋痙攣を特徴とする稀な難治性疾患である。本症例ではSPSの抗GAD抗体による交感神経の過剰興奮状態と不安恐怖による精神的ストレスのためたこつぼ心筋障害をきたしたと考えられ,適切な診断と集中治療で良好な転帰を得た。

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