2010 年 17 巻 4 号 p. 561-564
中心静脈カテーテル挿入は重症患者管理において重要な手技であるが,その施行には血気胸,感染等の重篤な合併症が存在する。群馬大学医学部附属病院集中治療部は,2007年5月より安全な体制確立に着手した。新体制移行前の院内調査では,(1)CVC施行者に制限はなく,昼夜問わず穿刺,(2)消費されるカテーテルのうち38.9%がdirect puncture型カテーテル,(3)体表ランドマーク法のみで穿刺,(4)設備不十分な病棟での施行が多い,等の問題点が挙げられた。このため,(1)インストラクター制度の導入,(2)Seldinger型カテーテルに統一する,(3)必ず超音波装置を使用する,(4)可能な限り日帰り手術室で行う,という対策案を出し,同年12月より体制を開始した。同院の中心静脈カテーテル挿入体制の現状について紹介する。