抄録
百日咳罹患後,非定型溶血性尿毒症症候群(atypical hemolytic uremic syndrome, aHUS)を発症した一例を報告する。症例は生後2ヵ月女児。百日咳で前医入院中に溶血性貧血,血小板数減少,腎機能悪化を認め,当院に転院した(第1病日)。ICUで持続血液透析(continuous hemodialysis, CHD)を行いつつ,血漿交換(plasma exchange, PE)を7日間連日施行した。入院後尿量は減少し,第6病日から3日間無尿となったが第9病日から利尿期に入り,血小板数も増加に転じた。第9病日にPEを中止し,新鮮凍結血漿(fresh frozen plasma, FFP)輸注に変更するも,尿量低下や血小板数減少など症状再燃はなかった。第14病日にCHDを離脱し,第25病日FFP輸注を終了した。第42病日に腎機能正常化を確認し退院した。ベロ毒素産生大腸菌の関与はなく,a disintegrin-like and metalloproteinase with thrombospondin type 1 motifs, number 13(ADAMTS13)活性も正常で血栓性血小板減少性紫斑病も否定的であり,aHUSと診断した。百日咳の経過中に腎機能低下,溶血性貧血,血小板数低下が認められた時には,aHUSの合併を考慮する必要がある。