日本集中治療医学会雑誌
Online ISSN : 1882-966X
Print ISSN : 1340-7988
ISSN-L : 1340-7988
症例報告
蘇生時の心電図から診断したカテコラミン誘発性多形性心室頻拍の4歳児例
木村 翔本田 隆文平井 希保科 しほ浜田 洋通川村 美朋子堀江 稔寺井 勝
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 22 巻 5 号 p. 439-442

詳細
抄録

症例は4歳,男児。既往歴や家族歴は特にない。外出しようとした玄関先で失神し,9分後救急隊車内収容時に心肺停止であったため蘇生が開始された。心停止から30分で自己心拍が再開した。蘇生時の頻回の多形性心室頻拍と,それに続く心室細動からカテコラミン誘発性多形性心室頻拍(catecholaminergic polymorphic ventricular tachycardia, CPVT)を疑い,遺伝子検査で常染色体劣性遺伝のcalsequestrin 2CASQ2)遺伝子異常を2ヵ所認め,確定診断に至った。神経学的後遺症を残したものの,現在β遮断薬内服で再発作を認めず管理している。診断や薬効評価に関して,幼児では運動負荷検査の実施が難しいため,ホルター心電計装着下で家族と共に運動させるなどの工夫が必要である。

著者関連情報
© 2015 日本集中治療医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top