2016 年 23 巻 6 号 p. 679-681
熊本県下の小児重症患者診療に携わる全ての診療科(15病院24科)を対象として,2010年に生じた16歳未満の小児重症患者の調査を行った。回答率は96%,小児重症患者は386人で,ICUへ入室した小児重症患者において,予定入室は160人,緊急入室114人であり,一般病棟管理92人,院外心肺停止患者20人であった。熊本県における小児重症患者の発生率は,16歳未満人口1,000人あたり1.44人で,日本では25,200人/年の小児重症患者が発生すると推測された。これらの発生率は海外や日本の既報告と同等であり,今後,日本でのPICU必要病床数の根拠になりうると考えられた。