日本集中治療医学会雑誌
Online ISSN : 1882-966X
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総説
心臓植込みデバイスに関する最近の話題
北野 鉄平岡島 正樹谷口 巧
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2019 年 26 巻 5 号 p. 373-377

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抄録

心臓ペースメーカが臨床応用されてから約60年経過したが,近年になっても技術進化が著しい分野である。最近ではMRI対応ペースメーカやリードレスペースメーカ,完全皮下植込み型除細動器(subcutaneous implantable cardioverter defibrillator, S-ICD),着用型自動除細動器(wearable cardioverter defibrillator, WCD)などが登場している。MRI対応ペースメーカが普及しつつあるが,機種により撮像範囲などが異なり実施基準も定められているため,注意が必要である。リードレスペースメーカやS-ICDは感染や血腫などのポケット関連合併症,断線や静脈内血栓,三尖弁閉鎖不全などのリード関連合併症を低減,またはなくしてしまうような新しいデバイスである。既存のデバイスと比較しそれぞれ欠点もあり,症例に応じて選択する必要がある。WCDはICD植込みまでの期間に使用する,新しい発想のデバイスである。今後も心臓植込みデバイスの進化・革新が起こり,より良い治療へ繋がることを期待する。

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© 2019 日本集中治療医学会
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