日本集中治療医学会雑誌
Online ISSN : 1882-966X
Print ISSN : 1340-7988
ISSN-L : 1340-7988
調査報告
鎮静・鎮痛・せん妄・睡眠管理,ICU diaryに関する実態 ─Webアンケート調査の結果から─
櫻本 秀明卯野木 健白坂 雅子田本 光拡佐藤 智夫大内 玲佐土根 岳藤谷 茂樹
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 27 巻 5 号 p. 429-432

詳細
抄録

鎮静・鎮痛・せん妄・睡眠管理およびICU diaryに関する実践を明らかにすることを目的に,Webアンケートによる実態調査を実施した。ICU/high care unit(HCU)看護師からの227件の回答を分析し,鎮静目標が明確な施設は66.1%,目標鎮静設定を毎日見直すは22.9%であった。ほぼ全ての施設で定期的に鎮静評価が行われていた。客観的疼痛評価はbehavioral pain scale(BPS)37.4%,critical-care pain observation tool(CPOT)38.3%で行われていた。せん妄評価ツールを全く使用していない施設は13.7%にとどまった。睡眠促進は,明るさの調整(84.6%),モニター音の調整(48.5%)であった。ICU diaryを全く使用していない施設は77.5%に上った。重症患者に対する鎮静・鎮痛・せん妄評価,睡眠の促進は広く普及しつつあるが,ICU diaryも含めるといまだ十分とはいえず,今後も適切な普及に組織的に取り組む必要性が示唆された。

著者関連情報
© 2020 日本集中治療医学会
前の記事
feedback
Top