2021 年 28 巻 2 号 p. 105-109
乳児の重症百日咳は予後不良であり,体外膜型肺(extracorporeal membrane oxygenation, ECMO)の使用には議論の余地がある。肺高血圧を合併した乳児の重症百日咳に対して長期のECMO管理を行い,生存退院した症例を報告する。症例は生後47日の男児。百日咳による呼吸不全のため第10病日に気管挿管,白血球除去療法にて白血球数減少を認めたが肺高血圧を合併し,第12病日にveno arterial-ECMO(VA-ECMO)を導入した。肺高血圧の改善に乏しかったため,veno-veno arterial ECMO(V-VA ECMO)を介してveno venous-ECMO(VV-ECMO)への転換,バルーン心房中隔裂開術,気管支鏡による喀痰吸引を行い,ECMO導入34日目で離脱した。第56病日に抜管,第124病日に生存退院した。重症百日咳による呼吸不全と肺高血圧に長期のECMO管理を行ったが,経時的に改善しECMOから離脱でき良好な経過を得た。百日咳に伴う肺高血圧は可逆性である可能性があるため,ECMO導入は治療の選択肢になると考えられる。