2021 年 28 巻 2 号 p. 114-117
我々は胎児診断で頸部リンパ管腫を指摘されていたが選択的帝王切開で無事出生し,生後10日に腫瘤の増大と治療を契機に上気道狭窄が増悪し,緊急気道確保が必要となった症例を経験した。本症例は通常の喉頭鏡で経口挿管が難しく,完全覚醒下に気管支鏡による経鼻挿管に3度挑戦し不成功,新生児用ビデオ喉頭鏡による経口挿管に2度挑戦し成功した。胎児気道狭窄症例は,出生前から出生後まで,産科医,小児科医,小児外科医,麻酔科医,集中治療医など診療科横断的なチームアプローチを行い,緊急気道確保が必要な状態に陥らないように治療戦略を立てることが重要であると思われた。