日本集中治療医学会雑誌
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重症患者リハビリテーション診療ガイドライン2023
卯野木 健林田 敬河合 佑亮對東 俊介安藤 守秀飯田 有輝笠井 史人川崎 達也神津 玲近藤 豊齊藤 正和櫻本 秀明佐々木 信幸佐浦 隆一中村 謙介大内 玲岡本 菜子岡村 正嗣栗原 知己栗山 明松石 雄二朗山本 憲督吉廣 尚大矢坂 泰介安部 諒飯塚 崇仁井上 拓保内山 侑紀遠藤 聡大倉 和貴太田 浩平大塚 貴久岡田 大輔小幡 賢吾片山 雪子金田 直樹北山 未央喜納 俊介草葉 隆一桑原 政成笹沼 直樹高橋 正浩髙山 千尋田代 尚範立野 淳子田村 貴彦田本 光拡土谷 飛鳥堤 悠介長門 直成田 知大名和 智裕野々山 忠芳花田 匡利平川 功太郎牧野 晃子正木 宏享松木 良介松嶋 真哉松田 航宮城島 沙織諸見里 勝柳 尚弥山内 康太山下 遊平山本 夏啓劉 啓文若林 侑起渡辺 伸一米倉 寛中西 信人高橋 哲也西田 修日本集中治療医学会集中治療早期リハビリテーション委員会
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2023 年 30 巻 Supplement2 号 p. S905-S972

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抄録

重症患者に対する標準化された質の高いリハビリテーションの提供は,取り組むべき重要課題である。日本集中治療医学会では,2017年に「集中治療における早期リハビリテーション ―根拠に基づくエキスパートコンセンサス―」を発行したが,系統的にエビデンスを評価したものではなく,あくまでも専門家のコンセンサスに基づくものであった。そこで,日本集中治療医学会では,質が高く,かつ,医療従事者が理解しやすく,その意思決定に資することを目的に,システマティックレビューおよびGRADE(grading of recommendations, assessment, development and evaluation)アプローチを用いた診療ガイドラインを作成した。 重症患者に対するリハビリテーションに特化し,かつ,GRADEアプローチを用いた診療ガイドラインとしては,世界初の試みである。本ガイドラインは日本集中治療医学会集中治療早期リハビリテーション委員会を核に,ワーキンググループ,システマティックレビュー班,アカデミックガイドライン推進班から構成された診療ガイドライン作成グループの合計73名からなるメンバーで作成した。リハビリテーションでは多職種連携が非常に重要であることはいうまでもない。本ガイドラインも多職種,かつ多様な専門分野を持つ医師や医療従事者,ICU患者経験者を含む多くのメンバーが作成に寄与した。 本ガイドラインでは,グループメンバーによる議論に基づいて,8領域を注目すべき臨床重要領域とした。その上で,各領域から重要な14の臨床疑問(clinical question, CQ)を作成した。 パブリックコメントの募集を計2回行い,CQに対する回答としては,10のGRADEによる推奨,4つの背景疑問の解説が示された。また,CQごとに情報を視覚的診療フローとして作成し,各CQの位置付けがわかりやすいように配慮した。多職種が関与する重症患者に対するリハビリテーションにおいて,本ガイドラインが活用されることを期待する。

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