日本集中治療医学会雑誌
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学会創立50周年記念特集
神経集中治療においてcerebral multimodality monitoringをどのように臨床に活かすか?
諸橋 優祐江川 悟史
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2025 年 31 巻 6 号 p. 607-615

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抄録

頭部外傷や脳卒中などの一次性脳損傷は,脳浮腫や発作など複雑な病態変化を起こし,脳損傷がさらに拡大することで二次性脳損傷が生じる。脳は脆弱な臓器であり,短時間で不可逆性の変化に至るため,頭蓋内圧や脳波などの複数の指標で脳を多角的にモニタリングするcerebral multimodality monitoring(MMM)により,複雑な病態変化を把握することが求められる。それにより,画像検査や治療のタイミングを適正化し,二次性脳損傷から脳を保護することが可能であると考えられている。しかし,MMMに用いられる機器やその使用法は標準化されておらず,本邦で利用できる機器にも制限がある。本稿では文献的考察を中心に,個々の機器の特徴を概説する。

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