日本集中治療医学会雑誌
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日本版敗血症診療ガイドライン2020
江⽊ 盛時⼩倉 裕司⽮⽥部 智昭安宅 ⼀晃井上 茂亮射場 敏明垣花 泰之川崎 達也久志本 成樹⿊⽥ 泰弘⼩⾕ 穣治志⾺ 伸朗⾕⼝ 巧鶴⽥ 良介⼟井 研⼈⼟井 松幸中⽥ 孝明中根 正樹藤島 清太郎細川 直登升⽥ 好樹松嶋 ⿇⼦松⽥ 直之⼭川 ⼀⾺原 嘉孝⼤下 慎⼀郎⻘⽊ 善孝稲⽥ ⿇⾐梅村 穣河合 佑亮近藤 豊斎藤 浩輝櫻⾕ 正明對東 俊介武⽥ 親宗寺⼭ 毅郎東平 ⽇出夫橋本 英樹林⽥ 敬⼀⼆三 亨廣瀬 智也福⽥ ⿓将藤井 智⼦三浦 慎也安⽥ 英⼈阿部 智⼀安藤 幸吉飯⽥ 有輝⽯原 唯史井⼿ 健太郎伊藤 健太伊藤 雄介稲⽥ 雄宇都宮 明美卯野⽊ 健遠藤 功⼆⼤内 玲尾崎 将之⼩野 聡桂 守弘川⼝ 敦川村 雄介⼯藤 ⼤介久保 健児倉橋 清泰櫻本 秀明下⼭ 哲鈴⽊ 武志関根 秀介関野 元裕⾼橋 希⾼橋 世⾼橋 弘⽥上 隆⽥島 吾郎巽 博⾂⾕ 昌憲⼟⾕ ⾶⿃堤 悠介内藤 貴基⻑江 正晴⻑澤 俊郎中村 謙介⻄村 哲郎布宮 伸則末 泰博橋本 悟⻑⾕川 ⼤祐畠⼭ 淳司原 直⼰東別府 直紀古島 夏奈古薗 弘隆松⽯ 雄⼆朗松⼭ 匡峰松 佑輔宮下 亮⼀宮武 祐⼠森安 恵実⼭⽥ 亨⼭⽥ 博之⼭元 良吉⽥ 健史吉⽥ 悠平吉村 旬平四本 ⻯⼀⽶倉 寛和⽥ 剛志渡邉 栄三⻘⽊ 誠浅井 英樹安部 隆国五⼗嵐 豊井⼝ 直也⽯川 雅⺒⽯丸 剛磯川 修太郎板倉 隆太今⻑⾕ 尚史井村 春樹⼊野⽥ 崇上原 健司⽣塩 典敬梅垣 岳志江川 裕⼦榎本 有希太⽥ 浩平⼤地 嘉史⼤野 孝則⼤邉 寛幸岡 和幸岡⽥ 信⻑岡⽥ 遥平岡野 弘岡本 潤奥⽥ 拓史⼩倉 崇以⼩野寺 悠⼩⼭ 雄太⾙沼 関志加古 英介柏浦 正広加藤 弘美⾦⾕ 明浩⾦⼦ 唯⾦畑 圭太狩野 謙⼀河野 浩幸菊⾕ 知也菊地 ⻫城⼾ 崇裕⽊村 翔⼩網 博之⼩橋 ⼤輔⿑⽊ 巌堺 正仁坂本 彩⾹佐藤 哲哉志賀 康浩下⼾ 学下⼭ 伸哉庄古 知久菅原 陽杉⽥ 篤紀鈴⽊ 聡鈴⽊ 祐⼆壽原 朋宏其⽥ 健司⾼⽒ 修平⾼島 光平⾼橋 ⽣⾼橋 洋⼦⽵下 淳⽥中 裕記丹保 亜希仁⾓⼭ 泰⼀朗鉄原 健⼀徳永 健太郎富岡 義裕冨⽥ 健太朗富永 直樹豊﨑 光信豊⽥ 幸樹年内藤 宏道永⽥ 功⻑⾨ 直中村 嘉中森 裕毅名原 功奈良場 啓成⽥ 知⼤⻄岡 典宏⻄村 朋也⻄⼭ 慶野村 智久芳賀 ⼤樹萩原 祥弘橋本 克彦旗智 武志浜崎 俊明林 拓也林 実速⽔ 宏樹原⼝ 剛平野 洋平藤井 遼藤⽥ 基藤村 直幸舩越 拓堀⼝ 真仁牧 盾增永 直久松村 洋輔真⼸ 卓也南 啓介宮崎 裕也宮本 和幸村⽥ 哲平柳井 真知⽮野 隆郎⼭⽥ 浩平⼭⽥ 直樹⼭本 朋納吉廣 尚⼤⽥中 裕⻄⽥ 修
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論文ID: 27S0001

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抄録

日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG2016)の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG2020)の目的は,J-SSCG2016と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG2016ではSSCG2016にない新しい領域(ICU-acquiredweakness(ICU-AW)とPost-Intensive Care Syndrome(PICS),体温管理など)を取り上げたが,J-SSCG2020では新たに注目すべき4領域(Patient-and Family-Centered Care,Sepsis Treatment System,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な117の臨床課題(クリニカルクエスチョン:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQには,日本国内で特に注目されているCQも含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員24名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班を2016年版に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,117CQに対する回答として,79個のGRADEによる推奨,5個のGPS(Good Practice Statement),18個のエキスパートコンセンサス,27個のBQ(Background Question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG2020は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。

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© 2020 日本集中治療医学会
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