日本集中治療医学会雑誌
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先天性横隔膜ヘルニア出生前診断症例の治療方針と成績の変遷
待機手術の見直しと一酸化窒素吸入療法
木内 恵子福光 一夫北村 征治中道 園子谷口 晃啓井村 賢治
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1999 年 6 巻 1 号 p. 21-27

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抄録
大阪府立母子保健総合医療センターにおける膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation, ECMO)導入後の,出生前診断された院内出生の横隔膜ヘルニアの治療方針と成績について後方視的に検討を加えた。治療方針により1期(1988年8月~1990年末);早期緊急手術の時期(n=5),2期(1991年初め~1993年6月);stabilization後の待機手術の時期(n=6),3期(1993年7月~1995年末);一酸化窒素(nitric oxide, NO)導入後の,待機手術の時期(n=6),4期(1996年初め~1997年末);早期手術の時期(n=7)の4期に分けた。各期の生存率は,60,17,33,100%であった。ECMOの利用は1期2症例(1症例死亡),2期4症例(全症例死亡),3期3症例(全症例死亡),4期0症例。NOの使用は3期6症例(4症例死亡),4期5症例(死亡0)であった。待機手術の2期・3期の成績は悪かった。NO吸入の導入は生存率の向上に役立っている可能性がある。
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