抄録
日本、米国、台湾の三カ国でアンケート調査を実施し、フェイスブックの利用状況を比較した。その結果、日本では他の二カ国と比べると、フェイスブック上の友だちの数が3分の1しかないこと、ネットワークの同質性が高いこと、オフラインの知り合いの比率が高いことが確認された。また、日本人は個人の特定化につながる個人情報の開示について開示度が低いことが分かった。さらに、日本のみでネットワークの同質性やオフラインの友人数と個人情報の開示度との間に正の相関関係が見られるなど、日本人のフェイスブック上の友だちの形成プロセスは他の二カ国と異なり、オフラインの同質的な関係により強く依存していることが示唆された。