パルプ・紙製造業で発生するペーパースラッジを法面緑化基盤材に利用するために,異なる比率でペーパースラッジを混合した緑化基盤材の物性,耐降雨侵食性および植物の生育試験を行った.また,フィールド試験において,施工性および長期的な植物の生育状況について検証した.その結果,ペーパースラッジを用いた緑化基盤材には通気性や透水性に及ぼす影響が大きい孔隙の増加が認められ,植物の生育状況も良好であった.また,ペーパースラッジを6~10%混合した緑化基盤材は耐降雨侵食性が向上することが確認された.さらに,フィールド試験において施工不良は確認されず,6年後の植物の生育状況は良好であった.以上の結果から,ペーパースラッジは法面緑化工における緑化基盤材として利用できる可能性が高いことが証明された.