農業農村工学会論文集
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研究論文
直接水準測量と比較したGNSS水準測量による山間地における標高の最確値と標準偏差
久保寺 貴彦岡澤 宏細川 吉晴松尾 栄治
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2016 年 84 巻 3 号 p. I_331-I_342

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抄録
2014年4月, 国土地理院が「日本のジオイド2011」(Ver.1)を公開したことによって, 3級水準測量相当のGNSS水準測量が全国的に実用化された.本研究では, 長野県軽井沢町の水準点から5 kmほど離れた標高920 mほどの山間地の新点において, GNSS水準測量および直接水準測量を実施して, それぞれ点検計算および厳密網平均計算を行って標高値を比較検証した.また, GNSS水準測量において, 直接水準測量と比較した観測作業, 「GPSのみ」と「GPS+GLONASS」の差異が最確値と標準偏差に及ぼす影響, 観測時間の差異が最確値と標準偏差に及ぼす影響を明らかにすることとした.この結果, GNSS水準測量は, 直接水準測量より安全かつ効率的に観測作業ができ, 「GPSのみ」によって観測時間の差異による最確値の変動を抑えられ, 直接水準測量の成果に整合した標高値が得られることがわかった.
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© 2016 公益社団法人 農業農村工学会
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