北海道雨竜郡妹背牛町の地下水位制御が可能な大区画水田圃場を対象として,湛水位および地下水位の観測を行った.無代かき湛水直播栽培,移植栽培,乾田直播栽培を行ったときの同一圃場の用水量を比較した結果,以下のことが明らかになった.1)移植栽培と直播栽培では,代かきの有無により地下水位変動の傾向が異なるが,浸透量の差は小さかった.2)用水量と有効雨量の和である供給水量は,近傍の地下水位が比較的高く,浸透量が小さいことから,栽培方式ごとの差は10~30%であった.3)直播栽培における浅水管理期の用水量は,移植栽培の代かき用水量に匹敵する.4)移植栽培と直播栽培の中干しが同時期に開始される場合,直播栽培の普及がさらに進むと,中干し後の再取水の用水需要の集中が緩和される可能性がある.