体積含水率(θ)の異なる黒ボク土で硝化のバッチ試験を行い, 測定したアンモニア態窒素(NH4-N)の減少と硝酸態窒素(NO3-N)の増加を一次反応式で表した.硝化の反応速度定数(µ)はθの高い条件で大きかった.また, 一次元カラム蒸発実験で, 硝化と水分移動に伴うNH4-NとNO3-Nの挙動を調べた.硝化によってNH4-Nは全層でほぼ消失し, 生成したNO3-Nが蒸発による水分移動で上層に移動した.NH4-N消失量は, θが高い実験の初期で多かった.次に, カラム蒸発実験の結果を数値計算で再現した.この時, 定数µを用いた計算によりカラム実験を概ね再現できたが, バッチ試験の結果を考慮してµをθの関数として与えると再現性が向上した.また, 土壌微生物活性の指標であるATP量はµの大きい条件で大きく, 比較的測定が容易なATP量からµを推定できる可能性が示された.