内圧が作用した硬質塩化ビニル管の長期性能を評価するため,農業用パイプラインとして現場で30年以上利用された管を対象に,破損した管の破面解析,管内圧の現場計測,掘出した管の偏平試験及び外圧疲労試験を実施した.破面解析では,疲労破壊に特徴的なビーチマークやラチェットマークが観察された.現場では頻繁な内圧変動が生じており,破損管は内圧変動により疲労した可能性が高いことが分かった.掘出し管の偏平試験では,50%たわみ時でも亀裂は生じず,30年以上使用した管でも偏平性能の顕著な低下は見られなかった.外圧疲労試験では,疲労強度が繰返し負荷応力の大きさに特に影響を受けること,許容応力程度でも疲労すること,口径の違いで疲労強度が異なる可能性があることなどが分かった.